39年目の“ビートル” ♯07
“ビートル”の続きです。


上半身と切り離した腰部分は、ポリキャップを埋め込んで、プラバンで蓋をして整形しています。

パイロットはこんな感じに塗りました。


内部を塗ってから、パイロットも組み込み、上半身の左右を接着。

腰と繋ぐために上半身下面にこのように蓋を。

本当に狭いです。

「顔」はこのまま進めていくことにしました。
結果的に、カメラ先端部分はマテリアルではなく、タミヤ1/700大和の銃座土台部分を流用しています。

キットの顔部分は、曲面部分が浅いのが気になりました。
この、ガンダムハンマーの半球を流用というのは、いささかオーバーな表現だというのは承知の上です。
D-DAYS =EP.2=
『雑誌D』の今回の記事に「クメン編」の撮影用ディオラマを組むという企画が上がった。
撮影用の1/35~1/24スケールのジャングルっていうのは、聞いただけでもそら恐ろしい話だが、幸いそちらは別のグループが担当。
我々で、ATを製作するのだが、
1/24 マーシィドッグ
1/35 ベルゼルガ
1/35 ダイビングビートルを2機
というラインナップだ。
グループリーダーの『典厩』さんと、この話を伝えに来た『刑部』は別のモノを担当しているために、この4機を自分と『兵部』の2人で担当して仕上げる……ちょっと考えればキツい話であるのは解りそうなものだった。
現に編集さんは、「さすがにダイビングビートル3機はキツいよね?」と数を減らしてくれた。
たが、打ち合わせの段階では気分が高揚していたためか、全く無理とは考えていなかった。
むしろ、きちんと3機製作して編集さんをニヤリとさせようか、なんて事を考えているのだから……。
若造っていうのは根拠の無い自信を持っているものだっていうのは、数10年後の感想。
この、顕微鏡を彷彿とさせる「顔」だが、果たしてどうしたものか……。
形状が何かマズいっていうのは誰にでも解る。
だが、どこをどうすれば見栄えが良くなるかは……そう簡単に答えは見えてこない。
カメラ部分については、何か流用出来そうなパーツは……と探してみたものの、「3つ」というのがネックだった。数が揃わない。
W社やK社がマテリアルを発売するずっと以前、切実な問題。
「結局、コイツ頼りかなぁ」
T社のエポキシパテ。エポキシパテは本来プラモデル用の商品ではないので、模型店で品物を目にすることがなかなかできない代物だったが、遂にT社が商品化してくれた。
これなら、それなりにカタチを作っていくことは出来るハズだ……。
だが、仕上がったソレは、到底自分でも満足のいくものではなかった。
「……きちんと“円”が出ていない……」
エポキシパテを3カ所盛り付けて、カメラ部分をらしくなるように整形したなのだが、どうもダルい感じだ。
カメラの円形の凹みは、エポキシパテがまだ柔らかいうちにプラ棒を押し当てて整形した。
その整形のエッジの甘さなどは、もちろん気になる。出来は良くない。
だが、それ以前に何かがおかしい。
しまりのない顔をしているのだが、それが何故なのかがどうしても解らない……。
「……やっぱり、カメラ部分は何か円形の流用パーツでなければダメなんじゃあ……」
しかし、時間が無い。
まさか登校するふりをして模型店巡りをするわけにもいかないだろう。
「……だいいち……もうリテイクしているような時間は……」
……カレンダーに眼を向ける。
数字の上に大きくサインペンで書いた「×」の羅列。赤い丸印との間隔がどんどん狭くなっている。
1984年1月。とある深夜。16歳の冬の事だった。
続きます。


上半身と切り離した腰部分は、ポリキャップを埋め込んで、プラバンで蓋をして整形しています。

パイロットはこんな感じに塗りました。


内部を塗ってから、パイロットも組み込み、上半身の左右を接着。

腰と繋ぐために上半身下面にこのように蓋を。

本当に狭いです。

「顔」はこのまま進めていくことにしました。
結果的に、カメラ先端部分はマテリアルではなく、タミヤ1/700大和の銃座土台部分を流用しています。

キットの顔部分は、曲面部分が浅いのが気になりました。
この、ガンダムハンマーの半球を流用というのは、いささかオーバーな表現だというのは承知の上です。
D-DAYS =EP.2=
『雑誌D』の今回の記事に「クメン編」の撮影用ディオラマを組むという企画が上がった。
撮影用の1/35~1/24スケールのジャングルっていうのは、聞いただけでもそら恐ろしい話だが、幸いそちらは別のグループが担当。
我々で、ATを製作するのだが、
1/24 マーシィドッグ
1/35 ベルゼルガ
1/35 ダイビングビートルを2機
というラインナップだ。
グループリーダーの『典厩』さんと、この話を伝えに来た『刑部』は別のモノを担当しているために、この4機を自分と『兵部』の2人で担当して仕上げる……ちょっと考えればキツい話であるのは解りそうなものだった。
現に編集さんは、「さすがにダイビングビートル3機はキツいよね?」と数を減らしてくれた。
たが、打ち合わせの段階では気分が高揚していたためか、全く無理とは考えていなかった。
むしろ、きちんと3機製作して編集さんをニヤリとさせようか、なんて事を考えているのだから……。
若造っていうのは根拠の無い自信を持っているものだっていうのは、数10年後の感想。
この、顕微鏡を彷彿とさせる「顔」だが、果たしてどうしたものか……。
形状が何かマズいっていうのは誰にでも解る。
だが、どこをどうすれば見栄えが良くなるかは……そう簡単に答えは見えてこない。
カメラ部分については、何か流用出来そうなパーツは……と探してみたものの、「3つ」というのがネックだった。数が揃わない。
W社やK社がマテリアルを発売するずっと以前、切実な問題。
「結局、コイツ頼りかなぁ」
T社のエポキシパテ。エポキシパテは本来プラモデル用の商品ではないので、模型店で品物を目にすることがなかなかできない代物だったが、遂にT社が商品化してくれた。
これなら、それなりにカタチを作っていくことは出来るハズだ……。
だが、仕上がったソレは、到底自分でも満足のいくものではなかった。
「……きちんと“円”が出ていない……」
エポキシパテを3カ所盛り付けて、カメラ部分をらしくなるように整形したなのだが、どうもダルい感じだ。
カメラの円形の凹みは、エポキシパテがまだ柔らかいうちにプラ棒を押し当てて整形した。
その整形のエッジの甘さなどは、もちろん気になる。出来は良くない。
だが、それ以前に何かがおかしい。
しまりのない顔をしているのだが、それが何故なのかがどうしても解らない……。
「……やっぱり、カメラ部分は何か円形の流用パーツでなければダメなんじゃあ……」
しかし、時間が無い。
まさか登校するふりをして模型店巡りをするわけにもいかないだろう。
「……だいいち……もうリテイクしているような時間は……」
……カレンダーに眼を向ける。
数字の上に大きくサインペンで書いた「×」の羅列。赤い丸印との間隔がどんどん狭くなっている。
1984年1月。とある深夜。16歳の冬の事だった。
続きます。
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